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教育長あいさつ令和元年12月号

 

教育長あいさつ

 

 

                      口が発する言葉と心が発する言葉

 

 ありがとう あったか言葉 雪溶かす(酔花幻)

 


 最近、デパートの館内放送で「迷子情報」が少なくなってきたように思うのは私だけでしょうか。そうです、あの「○○の服装をした××という△歳くらいの男の子がお母さんをお探しです…」の放送です。
 
 物騒な事件・事故が増える中、我が子の手をしっかりと握りしめながら買い物をする親御さんが増えたからでしょうか。それとも子供に持たせた携帯で位置情報が確認できるようになったからでしょうか。

 先日、池袋のデパートで久しぶりにこの放送を聞きました。引き取り場所になる総合受付の近くで妻の買い物を待っていたので、事の顛末を見守ることにしました。

 放送が流れて間もなく、母親と思しき女性が駆けつけてきました。表情から心配して探し回っていた様子がよくわかります。しかし泣きじゃくる子供を見た途端、母親の口から出た言葉は「何やってんの! 心配したんだからね!」。

 「心配」の中にも我が子が迷惑をかけたことへのうしろめたさによって、思わず口をついて出てしまった言葉なのかもしれませんが、一人ぼっちで心細く寂しく不安で一杯だった子供にとって何と残酷な一言か…。

 うつむきながら母親に手を引かれ去っていく子供の後姿を見て「もっと違う言い方をしてあげればいいのに…」と思わざるを得ませんでした。

 こんなこともありませんか? クラス内のトラブルを解決しようと夜遅くまで話し合っていた高校生のA子。話し合いが混迷して電話も掛けられなかった。くたくたに疲れて玄関のドアを開けたのが夜の9時。心配していた父親の口から出た言葉は「こんなに遅くまで何やってたんだ!」。
 「何も知らないくせに!」「私も大変だったんだよ!」の想いと心身の疲れが相まってA子の口から出た言葉は「ウルセー!」。その後の親子の「確執」はご想像の通り…。

 迷子の子供の親もA子の親も、我が子を心配する気持ちは変わりありません。しかし感情に任せた口から発してしまった言葉は、子供にその気持ちが伝わるものだったのでしょうか。どんな一言を返すべきだったのでしょうか。

 「言い方一つで伝わり方が変わる」は、古来、言語によるコミュニケーションが成立して以来、永きにわたって言い継がれてきたことです。

 同じ内容を伝えるにあたっても、「思いやり」や「配慮」があれば発せられる言葉は変わってきます。また、立場の違いがある場合も同様ですし、相手の状況に合わせて「戦略的」に言葉を変えることもあります。

 コミュニケーションは必ず「相手」が存在するものであり、言葉は「相手」を慮って使われるべきもの、すなわち「言葉は心から発せられるもの」でなければならないのです。

 しかし、そうはいってもなかなかできるものではありません。人間は「感情」の生き物。頭にくることもあるし機嫌が悪いときもある。瞬間的にいうべきではない言葉が口をついて出てしまうこともあるし、相手の心をへし折るような言葉を言ってしまうこともある。
 
 だから言葉を発する前にほんのちょっと立ち止まって考える「練習」が必要なのです。「練習」を重ねればいつしかそれが「習慣」になり、「心から発する言葉」が自然に使えるようになるはずです。 

 そんな思いを込めてこのホームページをお読みいただいている方々へ「心から発する言葉」の練習問題を差し上げます。

 【練習問題】

  以下1~6は親が子供に対して思わず発してしまう言葉。「子供に気づいてほしい…」「改めてほしい…」の願いで発した言葉であるにもかかわらず、いずれも往々にしてよい結果は生まない言葉です。
 
 さて、子供がやる気になったり素直になったりするには、次の言葉をどのように変えればよいでしょうか。

1「なんでこんなこともできないの?」
(ヒント)子供が考え判断する場面を意図的に作りましょう。

2「こんなことあたりまえじゃない!」
(ヒント)時には子供に「花」を持たせてあげましょう。

3「きめられたことをちゃんとやりなさい!」
(ヒント)仕事を任せて責任を実感させましょう。

4「勉強しなさい!」
(ヒント)指示・命令よりも具体的な提案をしてあげましょう。

5「パソコンの配線、頼んでおいたのにやってくれていないじゃない!」
(ヒント)時には「あなたにしかできない」というメッセージを発信しましょう。

6「何があったの? お母さんに話しなさい」
(ヒント)時には余計な励ましよりじっくり話を聞いてあげましょう。

*最下段に回答例を掲載しましたのでよろしければ…。

 普段何気なく使っている言葉ですが、この言葉にはすごい力が隠されています。言葉は使い方によって相手を快にも不快にもさせます。言葉一つでやる気にさせることも、逆に意欲を失わせることもできますし、言葉一つで命を守ることも失わせることもできます。

 「言葉は人間が生み出した最大で最高の文化である」と言われます。もう一度「言葉」を見直してみませんか? そして「心の言葉運動」を広げていきませんか? 「手をつなぎ 心をつむぐ みどりの清瀬」の実現に向けて!




【練習問題の回答例】あくまでも「こんな言い方の方が相手に思いが伝わります」という「一例」です。

1 どうすればできるようになるか一緒に考えてみよう。
2 あなたはやればできる人なんだから。
3 この仕事はあなたに任せたからね。
4 私はタイマーで時間を区切ってやったら集中できたよ。
5 パソコンの配線はあなたにしかできないから頼むわ。
6 ちょっと二人でゆっくり話でもしようか。

教育長 坂田 篤
 

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