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教育長あいさつ令和元年7月号

 

教育長あいさつ

                   


                         




                           

さあ! みんなで科学者になろう!

 

 梅雨空に ひらめけ輝け 科学者よ(酔花幻)

 

 6月29日(土曜日)、駅前のアミューホールは清瀬9校の小学校3年生から6年生までの子供たちで一杯になりました。総勢220人。一般社団法人「ディレクト・フォース」注1が主催し教育委員会が後援する「サイエンスフェスティバル in KIYOSE」に申し込んできた子供たちです。

 

 用意された講座は全部で四つ。それぞれの内容について申し込みのチラシにはこんなコメントが書かれています。

 

 「墨流し」(界面活性):特別な絵の具で水に浮いた模様を紙に写します。なぜ絵の具は水に溶けないの?

 「3D表札」(蒸発熱):発泡スチロールに書いた文字や絵を熱で浮き上がらせます。

 「香りの粒」(浸透圧):水を吸って大きく膨らんだ粒に、きれいな色と香りをつけます。

 「光の花」(光の全反射):光通信や胃カメラに使われている「光ファイバー」の仕組みを学びます。

 

 この文章を読んだだけでなんだかワクワクしませんか? どんなことをやるんだろう…と期待が膨らみませんか? どんなものができるんだろう…と楽しみになりませんか?

 

 フェスティバルの合言葉は「さあ、みんなで科学者になろう!」です。科学者になるための条件はただ一つ。身の回りのモノや出来事に対して「なぜだろう?」「どうすればいいんだろう?」と「?」の目を向けること。

 

 私たちの周りは不思議なことだらけ。なんで雨は降るんだろう? どうして風邪をひくと熱が出るの? なぜ砂糖は甘いのかな? あじさいの花はなぜこんなにきれいな青色なの? 犬と猫は祖先が違うのかな? なんで鉄の塊の飛行機が空を飛べるんだろう? どうすればもっとよく飛ぶ紙飛行機を作れるかな…。

 

 この「?」をそのままにしておかずに、本やインターネットで調べてみる、博物館や科学センター等に出かけて体験してみる、専門家に聞いてみる、自分なりに仮説を立ててそれが正しいか実験してみる…。こうなればすでに立派な「科学者」です。

 

 フェスティバル当日のアミュービルは、子供たちの「なぜなんだろう?」「どうしてなんだろう?」「どうすればいいのかな?」「こうやってみようかな?」「ああやってみようかな?」という「?」にあふれていました。

 

 その姿を見て「うらやましいな…」と思ったのは私だけではないはずです。

 

 我々大人でも世の中は知らないこと、分からないことだらけなのに、「常識」に縛られて疑問を感じなくなってしまっています。疑問があったとしても体面を気にして「なぜ?」と素直に言えなくなるのです。照れくささが先に立ち、自らの心の内を表出しなくなってしまいます。

 

 幼き子供は誰もが身の回りの目に映るもの、聞こえる音、食べ物の味、漂う香り、全身で感じる温度、お母さんの言葉、お父さんの行動…、すべてに興味・関心を持ちます。疑問を持ったり感動したり、言葉でうまく表現できなくともうれしくなったり悲しくなったり、楽しくなったり落ち込んだり、心が晴れやかになったり沈んだりするのです。

 

 子供たちは自らの心に宿った思いや願いに共感してほしいと願っています。面白いことは一緒に面白がってほしいし、「なんでだろう…」と感じたことは一緒に解決してほしいと思っているのです。自分の感じ方を認めてほしいし「疑問」に感じたことを褒めてもらいたいと願っているのです。だから彼らは「こう思うの! ああ感じるの!」と繰り返し話をするし、「なぜ? どうして?」としつこいばかりに聞いてくるのです。

 

 「そうなんだ、そう思ったんだ、すごい!」「へ―、そんなふうに感じたの?」「今あなたはこんな気持ちなのかな…」「その例え、とっても面白いね!」「お父さんも思いつかなかったな」「なんで疑問に感じたのかな?」「こんなことも不思議だよね」「どうすればいいのかな?」「この本を読んでみたらわかるかも」「お母さんも一緒に考えるね」…。このように親が子供と同じ目線に立って「こう思うの、ああ感じるの」「なぜ?どうして?」と向きあってくれることで子供は安心して自分の思いや願いを語ることができるのです。感じたこと、発見したことを素直に表現できるようになるのです。疑問を探し出す眼、探求することを面白がる心が育っていくのです。そして大人になっても衰えることがない「感性の根っこ」が形作られていくのです。

 

 「サイエンスフェスティバル」は子供たちの「小さな疑問」を引き出し、それを大切にしようという願いで始めた事業です。220名の子供たちは科学者への第一歩を踏み出しました。しかしもしかしたら、その姿を通して、私たち大人が「子供たちとのかかわり方」や「自分自身ともう一度向き合う大切さ」を学ぶ機会になっていたのかもしれません。

 

 これからも清瀬市はディレクト・フォースをはじめ、ありとあらゆる皆さんのお力を借りながら、子供の力を一層引き出し、どんどん伸ばす取り組みを充実させていきます。

 

(注)ディレクト・フォースとは民間企業で管理職、研究・開発を担当し、その後リタイヤされた方々の社会貢献団体(一般社団法人)です。子供たちに科学の面白さを感じてほしいという一心で活動されていらっしゃる。100円ショップで手に入るような材料を使って様々な実験を開発し、子供たちに「なぜ?」「どうして?」を提供してくれています。子供たち以上に好奇心の塊のような人たちばかりでとっても素敵な方々です。
           
        
 教育長 坂田 篤
 
 

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