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教育長あいさつ平成31年4月号

 

教育長あいさつ

                   


                         




                              駿馬らよ 令和の春を 駆けぬけよ(酔花幻)

 







 「令和」を名乗る新しい時代が一歩一歩近づいてきています。…と同時に慣れ親しんだ「平成」の時代ともお別れ。清々しい春風はその「祝い」の想いを伝え、舞う桜の花びらは「別れのダンス」を踊っているようです。 

 そのような中、清瀬市14校の小中学校に1,152人(H31.4.11現在)の新たな仲間を迎えることができました。入学式に臨んだ551人の新小学1年生の子供たち。一昔前のコマーシャルの通り誰もが「ピカピカ」に輝いていました。きちんと並んで体育館に入場してきます。椅子に座った脚をぶらぶらさせている子供はほとんどいません。背筋が「ピン」と伸びています。校長先生の「分かりましたか?」の問いかけに「ハイ」と大きな声で返事をしてくれます。でもやはり1年生。先生の手助けが必要ですし、集中力が長続きしない子供もいます。後ろを向いてご両親に手を振ってしまう子供もいました。

 中学校に入学した601人の仲間たちは「凛々しい」という表現がぴったり。真新しい制服に身を包み堂々と入場する姿はかっこいい。引き締まった表情からは「決意」がみなぎっています。「起立 気を付け 礼」等礼節をわきまえた行動がとれるし、呼名に対しても大きな声で返事ができる。でもやはり1年生。新たな生活に対する不安が見え隠れするし、立ち居振る舞いもぎこちない。返事の後、照れ笑いを浮かべる生徒もいるし、自らの判断ではなく隣を横目で確認し合いながら行動している様子も確認できます。

 小学校の入学式では多くの学校で新2年生が歓迎のパフォーマンスをプレゼントしてくれます。私が参列した学校でも呼びかけと合唱で小学校生活を紹介してくれました。子供たちは先生の指示がなくとも登壇し、所定の位置につき、自らのセリフを大きな声で発しています。合唱もしっかりと声を出し、縄跳びやけん玉のデモンストレーションも見事にこなしてくれました。実に規律正しく、新入生の範となる姿です。

 中学校では参列している上級生の実力が披露されます。校歌の指揮者、伴奏者はもちろん生徒自身。実に堂々とした、また頼りがいのあるリーダーっぷりを新入生に示してくれます。校歌も小学校時代には聞いたことがないような深みのある力強いもの。その大人っぽい立ち居振る舞いと主体的な取り組み、堂々とした歌声は新入生を圧倒します。

 素晴らしい歓迎セレモニーを披露してくれた小学校2年生も丁度一年前は新入生。先生の指示がなければ自分の席にも座れなかったし、短時間でも集中できずに横を向いたり手遊びをしたりしていたのです。中には親から離れることができずに駄々をこねる子供もいれば、他の友達と同じように行動できずに勝手にふるまっていた子供もいたのです。

 中学生としての誇りを魅せてくれた上級生諸君も、1,2年前の合唱祭では声変わりもせず、自信なさそうに歌っていました。授業中もけじめがつかない生徒も何人もいたし、部活動でも上級生には全くかなわずに右往左往していたのです。運動会でも校外学習でも自分で考え、判断し、行動できるまでには至っていなかったのです。

 たったの一年間、もしくは2年間で彼らはこんなにも成長したのです。彼らの姿を見るたびに、私は「教育はすごい力を持っている」と心から実感し、同時に誇りに思います。

 無論、成長発達の真っただ中にいる子供たちは十分な栄養があれば放っておいても体は大きくなります。しかし心や頭は教育がなければ決して育ちません。自らがおかれた立場を理解し、それに応じた言動を取ることができる力は教育なくして育めないのです。「あいうえお」の五十音を諳んじることも、足し算や引き算の計算がしっかりとできることも、原稿なくしても自らの意見を堂々と述べることができることも、教育があったからこそなのです。日々の教育の積み重ねによって確実に子供たちは成長しているのです

 私はことあるごとに先生方に対して「教育は薄い紙を積み重ねるような根気と忍耐のいる仕事である」という話をしています。薄紙であるが故、一枚、二枚ではその「厚み」を実感することはできません。

 しかし、わずかかもしれないけれど一枚でも二枚でも積み重ねていけば紙は必ず「厚み」を持ちます。先生方の適切な働きかけがあれば、一単位時間の始めと終わりでは子供はねらいに基づく成長を必ず果たすはずなのです。「一単位時間の成長」という薄い紙を、根気強く積み重ねてきた結果、今回、上級生たちはその成果を目に見える形で示してくれたのです。

 未知の生活の場に我が子を預けることに不安を抱えている保護者に対しても、教育はすごい力を発揮しました。上級生の姿を見て「今は落ち着かない我が子であっても、一年後には目の前で呼びかけをしている2年生のように場をわきまえた行動ができるだろう…」「3年後には歓迎の言葉を述べてくれた生徒のように、堂々と自らの思いを発信することができるかもしれない…」と親は思うのです。

 「子供の成長」という教育の成果が、人の持つ「不安」を「安心」や「期待」に変えたのです。100の言葉をもってしても、実際の子供の成長を目の当たりにするほどの説得力はありません。入学式の子供たちの姿は「お子さんを安心して本校にお預けください。必ず賢く、心身とも豊かに成長させます」「君の持っている可能性を引き出し最大限発揮できるよう応援するぞ」という学校の無言のメッセージであり、「誇り」「責任」そのものだったのです。

 清瀬の学校はこれからも根気強く「薄紙」を積み重ね、1,152人の新入生を含む5,600人の子供たちを成長させることを改めて約束します。


教育長 坂田 篤


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